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【AutoLISP リスト】仮の自作関数をリストの値で一気に処理 mapcar & lambda 

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glass jars on wooden shelf AutoLISP
Photo by Polina Tankilevitch on Pexels.com
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関数 lambdaを使うと、一連の流れをひとまとめにして、apply、mapcarなどに渡す引用関数として1回だけ使う仮の自作関数を作ることができます。

今回はmapcarとlambdaを関数foreachのように使う例です。 

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予備知識

自作関数について。

mapcar は、リストの値を処理して結果をリストで戻す関数です。

foreachについて。
foreachはリストにした値を使って順番に処理する関数です。

自作関数 を定義して繰り返す

このような作図をするコマンドを例に説明していきます。

自作関数を関数内で定義した場合です。

(defun c:test1 (/ Example Pt1)
   
  (setq Pt1 (getpoint))
 
  (defun Example (Ang / Pt2) 
    (setq Pt2 (polar Pt1 (/ (* Ang pi) 180) 50))
    (command-s "._LINE" Pt1 Pt2 "")
    (command-s "._CIRCLE" Pt2 10)
  )
   
   (Example 0)
   (Example 30)
   (Example 60)
   (Example 90)
    
(princ))

定義した関数Exampleに必要な引数は数値Angで、

点Pt1から角度Angに長さ50の線分を引いて端っこに半径10の円を描く。

という機能があります。
Pt1の点座標をgetpointで得た後に、 (Example 0) と、関数Exampleに角度0を渡すと以下のような図が作図されます。

さらに、(Example 30) (Example 60) (Example 90)と角度に違う値を入れて繰り返すと例の作図が仕上がります。

関数 foreach

関数foreachを使うと、角度の部分をリストにして、同じ処理を繰り返すことができます。
引数として、角度Angの値のリスト、上の例では自作関数Exampleとして定義した処理を渡します。

(defun c:test2 (/ Pt1 Pt2 Ang)
  
 (setq Pt1 (getpoint))

(foreach Ang (list 0 30 60 90)
  (setq Pt2 (polar Pt1 (/ (* Ang pi) 180) 50))
  (command-s "._LINE" Pt1 Pt2 "")
  (command-s "._CIRCLE" Pt2 10)
)
  
(princ))

関数 mapcar

関数mapcarを使うと、引用関数で使う引数をリストで一気に渡して処理できます。

test1では
(Example 0)
(Example 30)
(Example 60)
(Example 90)
引数の角度の値を変更ながら4回Exampleを繰り返して例の図を作図しました。

mapcarの場合、引用関数としてExampleを指定し、Exampleに必要な引数Angの値をリストで渡すと、そのリストに入れた値の数だけ繰り返されます。
(mapcar (quote Example) (list 0 30 60 90))
これで、リストの4つの値をひとつづつ引数にしてExampleで繰り返すので、test1と同じ働きになります。

さらに、quote list を省略すると、
(mapcar ‘Example ‘(0 30 60 90))
になります。

(defun c:test3 (/ Example Pt1)
  
  (setq Pt1 (getpoint))

  (defun Example (Ang / Pt2) 
    (setq Pt2 (polar Pt1 (/ (* Ang pi) 180) 50))
    (command-s "._LINE" Pt1 Pt2 "")
    (command-s "._CIRCLE" Pt2 10)
  )
    (mapcar ‘Example ‘(0 30 60 90))
     
(princ))

関数 lambda

関数 lambdaを使うと、mapcarの引用関数として1回だけ使う仮の関数を定義することができます。

コマンドtest3ではmapcarを使って、自作関数Exampleにリストで4つ値を渡して繰り返しました。
(mapcar (quote Example) (list 0 30 60 90)
このExampleを、lambdaとコードに書き換えて仮の自作関数として使います。

(defun c:test4 (/ Pt1 Pt2)

  (setq Pt1 (getpoint))
  
  (mapcar 
    (quote (lambda (Ang)
      (setq Pt2 (polar Pt1 (/ (* Ang pi) 180) 50))
      (command-s "._LINE" Pt1 Pt2 "")
      (command-s "._CIRCLE" Pt2 10)
    ))
    (list 0 30 60 90)           
  )

(princ))

quote とlistを ‘ で省略した場合です。

(defun c:test5 (/ Pt1 Pt2)

  (setq Pt1 (getpoint))
  
  (mapcar 
    '(lambda (Ang)
      (setq Pt2 (polar Pt1 (/ (* Ang pi) 180) 50))
      (command-s "._LINE" Pt1 Pt2 "")
      (command-s "._CIRCLE" Pt2 10)
    )
    '(0 30 60 90)           
  )

(princ))

Jagaimo
Jagaimo
例に挙げたコマンドtest1、test2、test3、test4、test5は書き方は違ってもどれも同じ働きをします。
自分がわかりやすい書き方を使えばいいと思います。
でも、いろんな書き方を知っておくと、誰かが作ったAutoLISPを解読するときに役に立ちます。 
 
 
 
 

まとめ

  • 関数 lambdaを使うと引用関数として1度だけ使える仮の自作関数を定義することができる。
  • 関数 lambdaと関数mapcarで、関数foreachみたいに使える。
  • 2つ以上の値リストを使いたいときはforeachよりもmapcar & lambdaが便利。

関連記事

mapcar について。

foreach について

自作関数について

コマンド関数内で一時的な自作関数、mapcar / lambdaを使った作図コマンドのサンプルです。

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